『忌憶』小林泰三

最初に収録されている短編『奇憶』は逃避型ファンタジーのパロディというか奇形みたいな作品。

進学や就職に失敗して完全に引きこもり状態になった男が幼い頃の不可解な記憶を思い出して 「この世界は本当の世界じゃない」という確信(妄想?)を持ってしまう話です。
小林泰三の得意とする〝ゴミ屋敷〟描写や、奇怪な幻想世界の描写が魅力的な作品でした。ラストの一言も素晴らしい。

第二の月『ショゴス二号』とか『タンホイザーゲート』といった小ネタ的なネーミングがシビれます。
(2007/03/21)

忌憶 角川ホラー文庫

忌憶 角川ホラー文庫

投稿者: shirone_koma

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