さすがスペースオペラの古典だけあって『あのネタってこれが元ネタだったのか』という描写やガジェットが多数見つかり、それを探すだけでも愉しかったです。(例えばパソコンSLG『シュヴァルツシルト』シリーズの超弩級戦艦の型番が〝Q〟なのはQ砲艦を元にしていたのかー、とか)
自分が一番興奮したのは最初のQ砲を使った艦隊戦のシーンですね。スペオペは意外と戦闘描写をおざなりにしちゃったり、地球上の古典的な戦争と似たような描写でごまかされたりするんですが、この作品はSF的超兵器による戦闘の醍醐味をふんだんに見せてくれます。
逆に苦手だなあと思ったのは主人公のキニスン。この作品に限らずヒーロー物全てに共通することですが、とてつもない力を持ちすぎている超人には感情移入しにくい・・・・・・。
どちらかというと敵首領のヘルマスの方に魅力を感じてしまいました。翻訳の良さなのかもしれませんが(翻訳は小隅 黎氏)、喋り方が非常にスマートでカッコいいです。