表題は芥川賞受賞の綿矢りさ『蹴りたい背中』のパロディですが、過去の作品にも増してくだらないダジャレ度が増してます。蚊が主人公の探偵小説『赤い家』なんて文章の至る所がダジャレになってますし。
でもワイドスクリーンバロック風(?)だった『銀河帝国の弘法も筆の誤り』よりスケールの小さい話が多く、そのせいで馬鹿馬鹿しさが少し薄れている感があります。
その中でも『吐仏花ン惑星 永遠の森田健作』は森田健作の人格をコピーした人工知能が謎の吐仏花ン惑星に挑む主人公を『よぉし、今から一緒にウサギ跳びをしよう』などと励まし続けるという脱力しまくる話。ワイドスクリーンバロック風(?)なアホらしさを存分に堪能できました。