『青い蛇 十六の不気味な物語』 トーマス・オーウェン

確かにホラーとはちょっと違う〝不気味な物語〟が収録された作品集。何が不気味かというと、物語の展開が定型を大幅に外れて不自然だったり、結末に納得できる理由が無かったりする所。

例えば表題作『青い蛇』は……。
額縁の中の絵とガラスの隙間になぜか青い蛇が入り込んで動けなくなっていて、危ないからガラス越しにピストルで撃って殺してしまおうと父に言う「私」。
父は同意してピストルをとってくるのですが、部屋に入ったとたんに絵に向かって遠距離から銃を乱射するので「私」はとっさに伏せ、命の危険を感じながら父の行為に激怒します。
蛇は結局ガラスの隙間から逃げていってしまう……。

『青い蛇』はこれだけの話なのですが、父の行動の理由や青い蛇の意味について全く語られないのでどうもすっきりしないものを感じてしまいます。この不安感が著者の作品の特徴なのかなと思いました。計算された不自然さ、というべきでしょうか。

展開が不自然という点では、吸血鬼譚のようなのに何かがおかしい『ベルンカステルの墓場で』も印象的でした。
(2008/04/06)

青い蛇―十六の不気味な物語 (創元推理文庫)
青い蛇―十六の不気味な物語 (創元推理文庫)

『異時間の色彩』 マイクル・シェイ

キャンプ場がにぎわう自然豊かな湖に出現した、水面を這う奇怪な七色の色彩。それに気づいた老学者二人は、その正体を突き止めようとします。
そのうちに奇妙な病気が湖周辺で蔓延し、行方不明者も発生して……。

本作はラヴクラフトの『異次元の色彩』へのオマージュ作品なのですが、実際は『吸血鬼ドラキュラ』を髣髴とさせる怪物vs老人のバトル小説という印象が強いです。
クトゥルー物にありがちなグロテスクな過剰表現があまりなくスピード感のあるスマートな文章で、どちらかというと映像作品にした方が面白そうな感じがします。
人間が空から降りそそぐ最後のシーンなんかはかなり印象的な画が描けそうなんですが……。
(2008/03/09)

『隠し部屋を査察して』  エリック・マコーマック

地球規模の大地震の後、幅100m、深さ30mの謎の溝が出現し、通り道にあるものを全て消滅させながら時速1600kmの猛スピードで全世界を駆け巡っていくという大災害を描いた『刈り跡』をはじめ、奇想溢れる作品が収録された短編集。

短編『町の長い一日』に『わたしは外に出ると、くるぶしまで積もった蝶をかきわけて……』という表現があるので南米出身の作家なのかなと思っていたらスコットランド系の人でした。
ジャングルの呪術とか大量の虫とか新大陸とか奔放なセックスの風習だとか、南米っぽい印象を強く感じてしまったのですが……。

それはそれとして、表題作『隠し部屋を査察して』をはじめ、『窓辺のエックハート』『祭り』『町の長い一日』といった作品で〝もはや最終目的が何だったかも分からなくなっているのに、何らかの義務的行為を課せられている人〟が多く描写されているのが印象に残りました。

●隠し部屋に永遠に監禁されている囚人を、永遠に監視することを課せられた監視人。
●犬が疲労死するまで果てしなく犬に棒を投げ続ける機械。
●他人を演じるという祭り行事をやっているうちに、本当の自分に戻ることができなくなった人。
●ある家に死体があるという報告を受けながらその家の場所が分からず、さらに第一発見者が死んでしまい、発見者が見た死体とはなんだったのかという謎を解き続ける刑事。
●一人の子供に対する児童虐待が無関係の人まで巻き込む暗殺戦争にまで発展した家族。
●主義にとらわれない究極の詩を追い求めた末に、無政府主義テロリストの人間爆弾になってしまった詩人。
(2007/12/01)

隠し部屋を査察して (創元推理文庫)
隠し部屋を査察して (創元推理文庫)

『ずっとお城で暮らしてる』 シャーリィ・ジャクスン

ある事件のために一家のほとんどを殺され、古い屋敷に完全に引きこもって暮らす生き残りの姉妹と伯父の物話。
主人公は姉妹の妹・18歳のメアリ・キャサリン、通称メリキャットです(なんとなくネコっぽい名前)。

物語はメリキャットの一人称で進むのですが、彼女の喋り方や考え方が18歳にしてはかなり幼いのがまず気にかかります。読み進めていくうちに、どうもメリキャットの精神年齢が家族が惨殺された時の12歳のままで止まっているらしいことが分かるのですが……。

こういう異常な心理の持ち主が一人称で語る場合、登場人物が被害妄想を語りだすと、読者は「彼/彼女は被害妄想を持っている」と認識して(作中世界の)現実とのズレに恐怖したりするわけですが、本作に関してはメリキャットの被害妄想が読者にも〝妄想だと認識できない〟という、恐るべきワナが仕掛けてあります。つまり、姉妹の周囲の人物が本当に悪意を持っているように感じられるわけです。

村人たちはメリキャットが本当に死んでしまえばいいと思っていそうだし、突然やってくる従兄チャールズは財産目当てで姉・コンスタンツに言い寄っているようにしか見えない。

精神の壊れてしまった娘に感情移入させられるという、これまでにない読書体験が得られる作品です。
(2007/11/08)

ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)
ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)

『図書室のドラゴン』 マイクル・カンデル

エンデの『果てしない物語』(『ネバーエンディング・ストーリー』の方が通りが良いかも)を、とことんダークサイドへパロディにした作品、といえばいいでしょうか。

魔法の図書室(マクガルヴィー・ランド)に転移する方法を見つけたシャーマン少年。その図書室に本を持ち込むと、例のごとく、本の世界に入り込み登場人物になることができるわけです。

現実世界では根暗でイマイチぱっとしないシャーマンも、本の世界ではドラゴンと戦う騎士になったり、超能力者となって合衆国の平和を脅かす悪鬼と闘ったり、はたまた遠い銀河の植民星で活躍する司令官になったりと、普段抑圧されている自らの欲望を発散させます。

と、ここまでは『果てしない物語』のバスチアン少年と同じなのですが、本作のシャーマンは欲望にまかせて、魔法の図書室に『情欲の仔猫たち』というエロ小説を持ち込んでしまいます。
この行為がきっかけとなって、他の本の世界にもエロチックな猫女「時間魔女」が出現するようになり、彼女たちの暗躍?により、あらゆる物語世界が酷いバッドエンドへと収束していきます。

シャーマンはこの危機をどう乗り越えるのか?

単純に、様々なファンタジーの類型のパロディとして見てもかなり面白い作品ですが(中世ではなく、わざと現代都市を舞台にしているドラゴンスレイヤーの話は皮肉が効いていて大好き)、『果てしない物語』とはまた別の形で、空想世界から現実に戻ることを選択する少年の姿が示されていて印象深いです。

(2007/09/16)

『川を覆う闇』 桐生祐狩

不浄の神に目をつけられた街が、汚物塗れの〝聖地〟に変えられてしまう様を描いたお話。

桐生氏の作品は「ごく個人的な怪談かと思っていたら、実は全世界が怪奇現象に見舞われていた」という、伊藤潤二の漫画を思い起こさせる展開が多くて結構好みです。

注目の汚物描写については、少々インフレ気味で作者の狙っていたナスティ・ホラーの効果が弱まっているんじゃないかと感じました。というか、私の大好きなジェフ・ヌーン『花粉戦争』とプロットが似ているせいで、どうしても比べてしまうのです。『花粉戦争』は花粉症の鼻水・唾液の描写のみにとことん拘っていたので異様に汚く感じたんですが、『川を覆う闇』はインフレしてグロというよりギャグになりかけているというか……。

実際のところ、この作品で一番不快感を覚えるのは汚物描写よりも、森志穂子や菊池氏の性格なんですよね。彼らの語ることって屁理屈というか、ただのワガママ……。

『夏の滴』もそうでしたが、桐生氏は不快なキャラを描かせたら天下一な人だと思います。
(2007/08/15)

川を覆う闇 角川ホラー文庫
川を覆う闇 角川ホラー文庫

『エレンディラ』 G・ガルシア=マルケス

二つの大作『百年の孤独』と『族長の秋』の間に挟まる形で発表された短編集らしいですが、そもそもガルシア=マルケスの作品を読むのは初めてだったり。これを先に読んでよかったものか。

気怠いラテンアメリカの雰囲気の漂う不気味なファンタジーが多数収録されています。『幽霊船の最後の航海』、『この世でいちばん美しい水死人』など、題名からして不穏なものが多いです。

私が一番気に入ったのはやっぱり短編集のタイトルにもなっている中篇『無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語』。
最初の場面、14歳のエレンディラが独りでお屋敷の家事と祖母の世話をこなしている場面が強く印象に残っています。私のイメージだとエレンディラってメイドさんなんですよね。「はい、お祖母ちゃん」「分かったわ、お祖母ちゃん」っていう返事の仕方がなんだか妙に萌えますし。

亜熱帯にある古いお屋敷。
中庭の水槽の側につながれている、痩せた駝鳥の世話をするメイドさん、という図がシュールというかひどく幻想的で、脳裏から離れません。
(2007/08/01)
エレンディラ (ちくま文庫)
エレンディラ (ちくま文庫)

[旅行記]アメリカ(ワシントンDC) その2

次なる目的地は国立航空宇宙博物館。
人類が空を飛び始めた頃から最近までのありとあらゆる航空機が稼働可能な状態で展示されています。今回の私の旅のメインのひとつ。

全長208m×3階建てという広大な面積の建物の中に、本当にすごい数の飛行機が展示されていて、一種のテーマパークのような雰囲気になってます。実際、子供もかなり多くて、スミソニアン博物館群の中でも最も人気があるというのもわかる感じ。

とりあえず見たものを記していきますよ。

ダグラスDC-3旅客機。1935年から全世界で2万機も作られた傑作旅客機。日本では国内ライセンス生産されたものが海軍で「零式輸送機」として使われたのが有名かも。
ずんぐりむっくりしてテカテカしているのがアメリカンな航空機という感じ。
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1950年代に活躍した後継機のダグラスDC-7旅客機の一部が展示してあって、内部が見られるようになっています。飛行機というより、なんだか特急列車みたいな雰囲気ですね。
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1933年に開発されたボーイング247-D旅客機。ボーイング社が材木会社から飛行機メーカーに転身するきっかけとなった全金属製旅客機です。飛行能力は高性能だったらしいけれど乗り心地がイマイチで、後から出た居住性の良いDC-3に人気を奪われてしまったらしい。旅客機は乗り心地が重要だよね、、、
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飛行黎明期からの展示。
18世紀にフランスで考えられた未来の気球式豪華客船「LA MINERVE」。ファイナルファンタジーとかに出てきそうな感じ。
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ライト兄弟の作った世界初の飛行機・フライヤー号の実物大模型。思っていた以上に翼幅が大きいのと、操縦者があんまりにも無防備なのに驚く。着陸する時とか、よく怪我しなかったよね、、、
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大西洋横断で名高い飛行士のチャールズ・リンドバーグが、アン夫人と1931年と1933年に世界旅行するのに使ったロッキード 8 シリウス。カラーリングがおしゃれ。
フロート付いている水上機は、実物を見ると写真の印象以上にでかいなあと感じるんですよね。
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第一次世界大戦の複葉戦闘機・爆撃機。この時代の軍用機はあまりよく知らないのだけど、勉強したら面白そうだなあ。
ドイツ軍のアルバトロスD.Va戦闘機。カラフルな塗装が印象的。
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ドイツの高高度戦闘機・フォッカーD.VII
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フランスの誇る高速複葉戦闘機・スパッドXIII。
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フランスのヴォワザン爆撃機。
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続いて第二次世界大戦の軍用機。
ダグラス・SBD-6ドーントレス艦上爆撃機。ミッドウェー海戦で日本の空母・赤城、加賀、蒼龍、飛龍を撃沈し、太平洋戦争の転機を作った機体。わりとスマートな印象。
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グラマン・F4F艦上戦闘機。実質的な零戦のライバル。ずんぐりむっくり。
エンジン部分が開いてあって仕組みがよく見えるようになっているのと、空母収納時の翼をたたんだ状態にしてあるところが、この博物館ならではの構図ではないかと。
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ノースアメリカン・P-51ムスタング。バランスが良く、大量生産された傑作戦闘機。今まで見た他国の航空博物館だと、飛行状態で展示されているのが多かったから、脚を出して着陸態勢なのは初めて見ました。
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スーパーマリン・スピットファイアVII型。英国を代表する名戦闘機。P-51と違ってメタリックにテカテカしていないのがイギリス。ウィキペディアを調べると、VII型の現存機はこれだけなんですかね?
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零式艦上戦闘機五二型。
五二型は鹿児島の鹿屋航空基地史料館で見たことがあったけど、こちらは飛行形態での展示。鹿屋で見たときは一機だけ部屋にドンと座っていたから大きい印象があったけど、同時代の欧米の戦闘機と並べると細っこいイメージが強くなりますね。
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ドイツの名戦闘機・メッサーシュミットBf.109G-6。
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イタリアのマッキC202フォルゴーレ。高性能だけど火力不足で苦戦を強いられた伊軍の主力戦闘機。イタリアの機体は初めて見た。なかなか他では見られなさそう。
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ドイツ驚異の科学力、世界初の実用ジェット戦闘機メッサーシュミットMe262。シルエットがやっぱりカッコイイよね。
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同じフロアに展示されていたアメリカ初の実用ジェット戦闘機ロッキードXP-80ルル・ベル。人類史上初の時速1000kmを記録した機体。
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実用化はされなかったけれど、米国初のジェット戦闘機であるP-59エアラコメットも大展示室にありましたよ。
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ここから大戦後~現代の航空機。
超音速飛行と有人宇宙飛行のデータ収集を目的とした実験機・ノースアメリカンX-15。1963年に有人機として人類で初めて高度10万6000mの「宇宙空間」に到達した航空機。巨大すぎてうまく画面に収まるように写真が撮れなかったです、、、
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ダグラス・D-558-2スカイロケット。超音速飛行実験機。1953年にマッハ2の記録を打ち立てました。
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ジェネラルアトミックス・MQ-1Lプレデター。無人偵察機を攻撃用に改良した機体。もう少しラジコンチックな感じなのかと思っていたのですが、普通に大きな飛行機で、結構威圧感があります。
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[旅行記]アメリカ(ワシントンDC) その1

2015年のGW・4月29日~5月5日の期間でアメリカのワシントンD.C.に旅行した時の記録です。

最大の目的はスミソニアン博物館を見ること。博物館好きなので・・・。

今回の旅では全日空・ユナイテッド航空の共同便を利用。
約12時間の飛行。成田16:00出発―ダレス空港15:50到着と、出発時と到着時がほぼ同じになるので、なんだか半日分得したような気分になります。(帰りは半日分損するんですが)
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ホテルはワシントン記念塔、スミソニアン博物館群のあるナショナル・モール地区から歩いて10分くらいの場所にとりました。
今までの経験から、博物館をがっつり見ようと思ったら、徒歩圏内で行ける場所にホテルをとるのが良いと判断したので。
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1日目に見たワシントン記念塔。
天気が良くなかったせいで、なんだかRPGのラストダンジョンみたいな雰囲気でした。
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鉄骨で造られる近代的なタワーと違って、石造りで169mという驚異的な高さがあるので、ファンタジーっぽい建築物の印象を強く受けるんですよね。ドラクエの塔とか、こんな感じなんだろうなあと思ったり。
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とりあえず19あるスミソニアン博物館群のひとつ、国立アメリカ歴史博物館へ。
ここだけでも半日くらい入り浸れるくらいのボリュームがあります。
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18世紀の産業革命~帝国主義時代から、ごく最近までの事物がたくさん展示されていました。

こちらはグラハム・ベルの蓄音機や電話に関する研究を展示したスペース。当時の蝋管からグラハム・ベル本人の肉声を聞いたりもできます。結構渋い声です・・・。
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こちらは時代ごとの道具を展示したスペース。
電信機と懐中時計。
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有名なホイットニー紡績機の現物。
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リンカーンのデスマスク。今でもリンカーンはアメリカ人に大人気みたいですね。
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タイプライター。
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フランクリン・ルーズベルト大統領が1930年代にラジオ演説で使っていたマイク。
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セサミストリートのカウント伯爵。こういうのもあります。
1970年代からやっている番組だから、もう伝統文化の一つといえるのかもですね。
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アップルIIコンピュータ。実物は初めて見た・・・。
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かなり最近のもの。9.11テロの一部始終を捉えていたビデオカメラ。
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スペースは変わって、大型の展示物のコーナー。
英国様式を残した18世紀末の家が丸々展示されています。
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独立戦争時に活躍したらしい砲艦フィラデルフィア。
船首に12ポンド砲を装備した強力な船でしたが、英軍の24ポンド砲の砲撃を受けて沈んだとのこと。
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全体像はこんな感じ。
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ほかには馬車とか。
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1831年にニューヨーク―フィラデルフィア間を走っていた蒸気機関車が丸ごと展示してあったりしました。
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次は戦史のコーナー。独立戦争から・・・。
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20世紀の帝国主義時代。米西戦争の展示。
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米西戦争時の米アジア艦隊旗艦・装甲巡洋艦ブルックリンの模型。
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太平洋戦争についてもかなりのスペースを割いて展示されていました。
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B-17の製造工場の様子を展示したもの。日本のこういう展示と違って、人形の表情がものすごくにこやかで愉しそうなのが、国柄の違いというかなんというか・・・。
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米軍の対戦車兵器。
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朝鮮戦争関係とか。
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ベトナム戦争のヘリポーン部隊の展示。他の展示と比べると、ベトナム戦争の展示がボリューム少なめなのが、戦争ごとにアメリカ人がどういう意識を持っているのかが感じられて興味深いですね。
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最後に60年代初頭のアイテムを集めたコーナー。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でタイムトラベルする過去の時代は1955年でしたが、アメリカにおけるノスタルジックの代名詞となる時代って50~60年代くらいなんですかね?
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『忌憶』小林泰三

最初に収録されている短編『奇憶』は逃避型ファンタジーのパロディというか奇形みたいな作品。

進学や就職に失敗して完全に引きこもり状態になった男が幼い頃の不可解な記憶を思い出して 「この世界は本当の世界じゃない」という確信(妄想?)を持ってしまう話です。
小林泰三の得意とする〝ゴミ屋敷〟描写や、奇怪な幻想世界の描写が魅力的な作品でした。ラストの一言も素晴らしい。

第二の月『ショゴス二号』とか『タンホイザーゲート』といった小ネタ的なネーミングがシビれます。
(2007/03/21)

忌憶 角川ホラー文庫

忌憶 角川ホラー文庫

猫耳や狐耳のついた「獣耳キャラクター」について、漫画・小説・ゲーム・アニメ等における表現史を調査している同人サークルです。